★ソールペイント デザイン編
  ローライダーカスタムに切っても切れないキャンディーソールペイントのデザインを紹介します!

   サンダーバードをキャンディーパープル・フレーク・ソールペイントを行うための一部です。

 塗装工程は次のように行っています。
1、ベース シルバー  下地が透けて見えますのでベースはシルバーを吹きます。
2、フレーク ハウスオブカラー社製 フレーク+レインボーフレーク(角度を変えてみると虹色に見え  ます)
  クリヤーにこのフレークを混ぜ、フレークが立たないように調整しながら吹きます。この車両では、  フレークを6本使用しています。
3、ここではフレークの細かいノウハウは省略。タッククロスで、余分に付着したフレークを払いクリヤ  ーを厚くペイントします。
4、塗装翌日、#320で大まかな粗研ぎを行う。
5、この後強制乾燥に入る。遠赤外線をしっかり行う。この理由は、塗装終了後、ポリッシュし完成に成  るのですが、時間が経過すると塗装がやせて、ボツボツとフレークの凹凸が出てきます。ショーの為  に急いだ仕事はなおさらです。
6、#400の後#600の耐水ペーパー後、再度クリヤーを吹いておきます。
  #320・400は目が粗くこのまま本塗りに入るとペーパー目が出てしまう為の工程です。
7、#1200で水研ぎ後、マスキングを行いデザインを描いてカットしていきます。

57d2ba6f.jpg



簡単なスケッチはしますが、実車にデザインしてみるとボディーの流れやプレスに合わないことが多く、私の場合は、直接フリーハンドで描いていきます。

いよいよデザインを入れていくわけですが、いくつか方法は有りますが、私が今までで一番気に入っているやり方を紹介します。
今回の作業はキャンディーパープルの下にデザインが入る為、デザインがより濃い色に成る訳です。
この場合は、通常ガンメタリック(黒が混ざったシルバー)をフェードをかけてペイントして行きます。
鮮やかさが出ないんですよ!
ここで、同系色のキャンディーを入れている方もいます。とても綺麗です。
※ どころが、落とし穴が有ります。キャンディー塗装も長く経験すると分かりますが、色が飛んでしまう欠点が有るんですよ。
って言う事は、フェード掛けたりした所はメイカーの指定した回数をペイントしていないので綺麗に色が飛んでしまうんですヨ!
私は、一般メイカーから出ている、塗料でデザインを入れてしまうんです。色番によっては透けない色も有るので注意が必要です。

8、クリヤー+ロイヤルバイオレットと、色を濃くしたい所はブルーと使い分けて塗装します。

e6606bcf.jpg



9、塗装後、マスキングを剥がした所ですが、ここでデザインを吹いた所だけでも良いので、かなり薄く  したクリヤーを吹いておきます。
  この理由は、次の塗装工程で脱脂をする際、汚れが付きにくい、マスキングの段差が出にくいからで  す。デザインの段差が大きいところはここでペーパーを入れておきます。

10、画像の工程ではラップ塗装と言う事も行っています。

ソールペイントの参考に成ったでしょうか…
塗装は、手間を掛けた分クオリティーが良くなります。

Kanarieさんから質問がありました。 設備と道具が…

私の経験ですが、道具は二の次でしょう。
カスタムペイントがしたくて修行に行ったのですが、3年間塗装を経験させてもらわなかったんです。
後から入った子は塗装させてもらえてって思ったこともありました。
退社後、最初に塗装したのが1964年式 シボレー インパラ コンバーチブルで、フレームまでキャンディーフレークにしました。
コンプレッサーは、ホームセンターの小さい物
ガンもホームセンターの物
吹き始めると、エアー圧が下がってしまい、倉庫には、遠い上のほうに蛍光灯が数本の状態でした。
ここで、学んだノウハウは、色むらは、ガンの運行速度、距離、回数を忠実に守る事。
プロでも塗装工程を見ていると、ガンの向きや癖が結構出ている。
実際、照明が乏しくてもムラどころか、色あせてもムラが出ていません。
キャンディー塗装は部品をばらばらにして塗装すると色が合わない場合が多いが、実際フェンダー、バンパーを取り付けしてもムラは有りません。
いつも初心を忘れないこれです!

当時の失敗談
トランクや、ボンネットの裏側に補強が入っています。
この補強には楕円の穴が開いていて、この穴の中に塗料が入らず、当時は苦労しました。
ガンを絞ってその穴の中を塗装してみると風が舞ってしまいうまく噴けなかったり、ミストでぼそぼそに成ってしまったりしました。

実家の豆腐屋を手伝っていたのですが、にがりを入れ一発で決めないと良い豆腐は出来ません。ごまかすと食感や舌触りが違い商品に成りません。
それを考えると、シンナーが少なければ足したり、シンナーも夏用、冬用も有り、なんて楽な世界だと思えるように成ったものです。

肌を良くしたければ、シンナーを増やす。遅乾形にする。たっぷり噴く。etc

ガンも粗悪な物を使用していたので、ちょっとのミスで失敗した事が、自分の癖を理解できるんです。
その癖を、うまく理解すれば自分に有った塗料の調合や塗り方が分かるんです。
とにかくあせらないで、失敗したらそこでストップです。
もったいないからと言う卑しい根性でどうにも成らなくなっちゃうんですヨ!

今はデザイン用に、エアーブラシ、小さいガン
フレーク用に下カップのガン
塗装用に、デビルビスガン
です。デビルビス(デビガンと言っています)だけで、サーフェーサーから最後まで使用しています。
これは、ガンのメンテナンスの都合に1番良いからです。ガンの中に不純物が残っているから噴きムラも出てしまうので、サーフェーサーだからと言う使い分けはしないんですよ。
ちなみに12,000円前後で購入しすでに5年以上経過していますが、ノントラブルです。

粗悪のガンからこのガンに変えた時、「目をつぶっても塗れる」このぐらい違いが感じ取れ、ボンネットの補強の所の穴の中まで綺麗に手間を掛けず塗装できました。
上達を考えている方は、是非粗悪の道具からスタートしてみて下さい。